小説の書き方というより「書き始め方」

アウトプット
ijmakiによるPixabayからの画像

 毎日新作を作っていた日々

 タイトルの通り、「書き方」ではなく「書き始め方」について書こうと思います。

 小説を書きたい、書いちゃおうかな、書けんのかな、みたいに考えてる人、考えたことある人って結構多いんじゃないかと思うのですが、実際に書き始めた人となるとその数はかなり減るんだろうなと思うわけです。
 なんとなーくぼんやりと淡い願望として「小説家」という職業に憧れたり、日常生活の中でふと「あれ?これおもしろいかな?」と感じる出来事に出会ったり、とそのきっかけは人それぞれ様々でしょうけど、さて。

 いざパソコンの前に座ってwordを立ち上げ書類を新規作成して何を打ち込もうか、となったときに突然頭が目の前の原稿用紙と同じように真っ白になってしまったこと、ないですか?

 僕は何度もあります。
 一時期、一日一作を自分に課し、ブログに毎日短編を投稿していたのですが、毎日ゼロから作品を作るというのはそれなりに大変でした。いや、地獄でした。アイデアが出ないときは枕に顔をつっこんで(隣室に配慮しつつ)「アーーーーッ」と叫んでみたり、しきりに髪をかきむしったり、それはもう側から見たら狂ったとしか思えない振る舞いをひとり部屋の中で繰り返したものです。

 そんなことを続けていたのですが、その始まりの段階、ブログに載せる最初の記事の書き始めでは、やはり頭が真っ白だったのです。
 しかしまあいろいろあって書くことだけは決めていたので何とかこの壁を突破しないといけません。ではどうやって前に進んだのか。進めたのか。

よく聞く話「何でもいいから書いてみよう」

「書き始めなんか何でもいいんだ、とにかく書き始める事が大事なんだ」
 みたいなことを耳にしたことないですか。最初の第一歩、悩んでるだけ無駄。とにかく動け。話はそれからだ。みたいな。
 何でもいいから書けって言うけど、「何でもってなんだよ!」てなりませんか。あれ間違っちゃ無いけどつなぎが悪いと思うんです。人それぞれ書きべきことや書きたいことがあるかもしれないし、実際のところ何がウケるのかバズるのか、やってみなけりゃ分からない。そういうこともあって、「これを書けばいい」「これを書けばうまくいく」というファイナルアンサーは無いわけです。そういうのをひっくるめると「何でもいいから書きましょう!とにかくそこから!」という言い方になっちゃう訳です。だけどこれ要するに、メソッドじゃなくて自由度の話をしているだけなんですね。「おまえは自由だ」と言われて砂漠に放置されるようなものです。途方に暮れますよね。
 でもやっぱり真っ白原稿を前にすると自分の頭も真っ白になっちゃったりして。そこでまたあきらめちゃう。

無理やりの力技から見出したこと

 で、話はここからなんですけど

 そうなったら、アタマ真っ白になってしまったら思い切って最初のアイデアを一回脇に置いちゃいましょう。何なら捨ててもいいです。そもそも書けなきゃ意味ない訳ですし。まあ開き直りですね。
 んで、目を閉じて、頭に最初に浮かんだ物を単語にして打ち込みましょう。それこそなんでもいいんですけど、僕の場合、最初のそれは「魚」でした。
 僕は昔から特に魚に興味を持ったことはありません。
 その日、魚に関わる何かが起きたわけでもありません。

(何でもいいから何か、何かないか)

 ただその思いで出てきてしまったのが魚。
 別に魚について何か書きたいこともないけれど、だとしてもこの時は必死過ぎてとにかくその魚にしがみついたのです。
 その魚、僕の頭に浮かんだ魚は取り合えず生きてました。
 泳いでました。すーって。小さい魚でした。
 どこで泳いでいるか?水槽の中だと思いました。その水槽はどこにある?その魚を見ているのは誰?

 こんな感じで浮かんできた魚から、魚を中心にしてその周辺がどうなっているか、どういう状況なのかということを考えてつなぎ合わせていきました。その結果、「水槽の中を泳いでいる魚を眺めている僕」という絵が出来上がりました。
 自分の生活や人生から一切何の脈絡もなかった魚。それでも色々くっつけると絵が描けるわけです。「目を開けて、視界に最初に入ったもの」とかでもいいと思います。

 要するに、どんなに意味のないことに思えても、浮かんできたものを捨てずに絵を描いていくと一つのシーンが出来上がるということなのです。この絵が描けたら始められます。
 この次に来るのは「なぜ?」というやつです。なぜを考えるとストーリーが始まります。

 ここまできてお気づきの方もいると思います。
「それただの5W1Hの話じゃん」
 その通り。ただ、その5W1Hを一見価値の無いものにも適用してみたら、案外世界が変わるよというお話でした。

 あなたの頭に最初に浮かんだもの。それが最初の1ページです。

※ちなみに、そのとき書いた魚の話をカクヨムに移して公開しております。



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