アイデアが生まれる職場へ『創造力を生かす』オズボーン

書評
Gerd AltmannによるPixabayからの画像

会議、会議、会議、会議
で1日つぶれた時のやれやれ感が
今やちょっと懐かしい。
生産性を度外視すれば人が集まって
あれやこれやと言いたいこと
言いあってるのは楽しかったりするわけで
いつの間にか会議自体が目的化した会社は
楽しさの反面落ちぶれていくのでしょうけれど
ひとたび問題意識が浮かんでくると
実りのない会議の不毛さは
その場にいるだけでイライラが募ったり
そんな経験、ないですか。

会議なりミーティングなりを
意味あるものにしなきゃってことで
よく出てくる話にブレインストーミングがあります。
ブレインストーミング(以下ブレスト)はもはや
説明の必要もないですね(断言)
アレックス・オズボーンはこのブレストの生みの親と
言われています。その原点とも言われる著作が

『創造力を生かす 「アイデアを得る38の方法」』
(創元社、A・オズボーン、2008.1)

です。
この本は1969年に出版された『創造力を生かせ』の
改題、新装版となってます。
テーマの普遍性からかひと時代過ぎた現代でも
色あせない思考のエッセンスが溢れた
本となってます。
読みごたえじゅうぶんです。

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大きく分けると3部構成

この本は38の章に分かれていて
目次も綺麗にそのタイトルで簡潔に
まとめられてます。
その構成は大きく分けると3つに分割できて

1〜15章 マインドセット
16〜28章 オズボーンのチェックリスト
29〜38章 新たな発想を促す環境づくり

とこんな感じになりそうです。
注目されがちなのが
オズボーンのチェックリスト
と呼ばれるもので、
ここさえ読めれば良いっていう
人も多いでしょう。

オズボーンのチェックリスト

アイデアが詰まったときに有効とされる
「オズボーンのチェックリスト」は
ビジネスのみならずいろんな場面で有効です。

「逆に考えるんだ」
「ちょっと見方を変えてみよう」
「アレンジしてみた」

この辺りはチェックリストが普及した結果
流行ったフレーズと言えます。
リストは9つに分かれていて本書では
準備段階の「目標設定」にあたる部分も
じっくり記されているので
チェックリストをツールとして使っていても
「なんとなくうまくいかないな」
とつまずいたら、このへんの原点を取り込む
ことも考えて良いと思う。

速読もそうだけど、
「スキルを活かすには準備段階から」
ってのは共通ですね。
チェックリストの中身については
他所でググってください(ごめん)

新たな発想を促す環境づくり

スキルを伝授した後は
「こういうことも考えとくと良いよ」
というアドバイス的な余談が続きます。
余談とは言いましたが

  • チームづくり
  • 社内での提案制度についての有用性

もかたっているので
社風づくりに頭を悩ませている人
なんかには必見の内容。

結局どこみても濃いっていう。
さすがに時代を超えて
読み続けられているだけあります。

最後は教育界へ
「若者たちへの創造的な刺激をたのむ」
という提言をのこして
本書は締められます。

まとめ

アイデアとは降って湧いてくるもの、
だけじゃなくて考えに考え抜いた
努力の結果としても得られるものだ。
とオズボーンは言っています。

待つだけでは良い考えは浮かばない、
アイデアは一部の天才だけのもの
みたいな考えは間違いだと。
あんたにもできるよと。

これは人生への希望を謳った
オズボーンの祈りを綴った作品です。

悲しいことに絶版でAmazonでも高額。
図書館なら所蔵してるところはいくつかあったので
読みたい人はお近くの図書館へ問い合わせてみてください。
取り寄せができるはず。
それではまた。

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