緊急事態宣言が解除されました。
以前とまったく同じように、とはいかないまでも
さっそく満員電車は復活したみたいです。
これから徐々に街にも人が戻っていくのでしょう。
幸い、日本におけるコロナウィルスの影響は
2ヶ月前に予測されていた数値を大幅に
下回る結果となりひと安心。
世界のあらゆる専門家が首を捻るほど
日本の状況は特殊のようですが、
おそらくこの自粛期間にはびこった
見えないものへの恐怖心は
しばらく人の心を支配して社会に何らかの
変化をもたらすことになりそうです。
ここのところずっとアドラーの著書を読み込んでいるのですが
ふと気になるテーマが浮かんできました。
出会いは変わるのか
じっさいにコロナの第二波はくるのか分かりませんが、
このままソーシャルディスタンスが当たり前のことに
なっていくと、一つの疑問として浮かんでくるものがあります。
出会いの形は変わっていくのか?
例でいくと、最近では「オンライン飲み会」「zoom飲み」
というものが流行りました。
また、これから復活していくだろう飲食店でも
座席の感覚を大きく空けるなどの工夫が予想されます。
酔った勢いで隣の席の人と意気投合、なんてことが
まず起こらない。
また、婚活してる人だったら「免疫力の強い人」
みたいな条件が追加されるのかもしれません。
アドラーはパートナーを選ぶための
3つの条件を提示しています。
パートナーを正しく選ぶ3つのポイント
- 友人関係を維持できる
- 仕事への関心がある
- 自分よりも相手に関心を持っている
3つに共通しているのは「共同体感覚」というもの。
人間は社会の中で生きていく生き物であり、
その社会性なくして現代の文化も文明も
なかったに違いない。
良いパートナーは子供の成長にも
強く影響を及ぼすことになるのです。
この3つのポイントはそれぞれアドラーの挙げる
「人生の課題」にも対応しています。
人生の3つの課題
アドラー心理学では、人生で起こる
すべての問題は次の3つに分けられます。
- 他者との生活
- 仕事
- 愛
『生きる意味』の中では一貫したテーマとして
序盤の章で提示されるのですが、
「他者との生活」はのちに「社会」と言い換えています。
人生において大事なことは共同体感覚を得ること。
社会なくして人は無し、人なくして社会なし
というのがアドラー心理学の根底にあります。
また、その準備は生まれた日から母親により行われます。
これがうまくいかない要因として主に挙げられているのが
母親による「甘やかし」などの行為ですが、
これは語り出すと膨大な例が挙げられているので
省きます(汗)。
少しだけ語ると、
甘やかされて自己中心的な性格に育ってしまうと
まったくひとを愛せなくなったりする。
ということにもなりかねないので、人はもう
生まれた時から愛に深く関わっていくのですね。
個人の幸福に最も近づくのが「愛」の課題
3つの課題のうち最も身近な問題として
私たちの身に降りかかってくるのが
愛の課題。
どんな人でもこの問題に無関係ではいられず
常に頭を悩ませるはなしです。
出会いの形が変わっていき、直接会うことが
少なくなっていく社会になってしまったとしたら
人を判断する基準として
アドラーの挙げるポイントが役に立つのかも。
むかし人生について悩んだ時にトルストイの「人生論」
をよんでさっぱり理解できず放り投げましたが、
アドラーなら分かったのかも、と遠い目の今日この頃です。
それでは。
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